諏訪湖の自然と共に・・・ 諏訪湖漁業組合

諏訪湖漁業協同組合について

  

近年、結氷することの少なくなった諏訪湖ですが、本年(令和2年)は異常ともいえる天候の不安定さで、季節感の喪失とともに湖水や生き物の例年の傾向が通用しない状況になっています。本年の諏訪湖、今夏の状況を注視していきたいと思います。

令和2年度については新型コロナウイルスの影響による経済や人の流れの落ち込みに加え、河川工事の濁水流入等によりわかさぎ採卵が不調に終わってしまいました。

以下、令和2年5月22日(金)に実施されました通常総代会報告から、諏訪湖漁業協同組合の現況をお知らせします。

 

1 事業活動の概況

平成31年度(平成3121日~令和2131日)は公卵の3年ぶりの出荷ができ、大量死からの回復傾向を感じることができました。しかし、わかさぎの漁獲量は回復傾向が見えるものの、こい、ふな、どじょう、もろ等すべての魚種で大量死前のレベルには及ばずいまだに影響が続いております。諏訪湖の魚介類相の一端を示すものと言えますが、漁獲の内容は相変わらず貧弱です。

地域に親しまれてきた特産のえびやもろこ等の復活には、湖内環境の整備が絶対的に必要です。わかさぎのように放流で資源回復を図ることのできる魚種は限られています。魚介類が復活・生息できる基盤は失われています。諏訪湖創生ビジョンには環境回復のための考え方がうたわれていますが、計画実現に向けての動きはほとんど見えません。所管部局にはスケジュールを持って計画的に進めていただきたいと要望します。

 

2 主な事業の経過報告

(1)販売事業及び遊漁事業

魚介類取扱い状況からも窺えるように魚類資源は完全には回復していません。平成31年度はわかさぎ資源の回復に支えられ、釣り需要は回復基調でしたが、わかさぎ以外の釣り対象魚の多くの魚種の不調が続いています。漁業者の漁獲の伸び悩みはもちろんですが、釣り人から「釣れない」という声も聞こえており、早急な資源回復のための環境づくりが必要です。

                こい・ふな・えび漁獲量

(2)公魚(わかさぎ)卵生産販売事業

 平成31年春の採卵事業は天候不順等に悩まされながらも、2年ぶりに出荷ができました。ふ化時期の餌環境が良かったためか、資源尾数が潤沢で、魚体が小型にとどまったものの、全体で15億粒を超える採卵ができました。食害鳥(カワウ・カワアイサ)の追払いは例年のとおり実施しましたが、カワアイサの群れに混じってわかさぎを捕食するカワウが確認されたことに加え、魚食鳥であるカンムリカイツブリの群れが長期に飛来滞在しているのが確認されました。
 諏訪湖が魚食鳥類の安住の地にならないような対策の必要性とともに、魚介類が安心して増殖できるように湖内環境を速やかに整備する重要性は非常に大きいものと言えます。鳥類対策とともに漁協のみでは対応し難い課題であり、関係機関の強力な対応を求めたい。

(3)指導事業

(3-1)増殖事業

 公魚自湖放流分を中心に、うなぎ・うぐい・むろ等の稚魚放流やこい・ふなの採卵育苗後の稚魚放流を行うとともに、産卵床造成を2河川で実施しました。
  
公魚等大量死以後、放流用種苗の手配を進めていますが、供給可能な魚種は限られており、種類によっては放流が難しくなっています。

(3-2)漁場管理

 漁場環境の改善・回復に向けて、ヒシの除去等により漁場環境の整備を図っています。公魚等大量死のような漁業への重篤な影響の未然防止のため水質監視を行うとともに、貧酸素水塊解消を推進する目的で地元の民間企業や信州大学等と連携した技術開発に参加しています。

(3-3)漁場対策・外来魚対策

 食害軽減対策として、魚食性鳥類のカワアイサやカワウ等の追払い、電気ショッカー船や刺網による外来魚等の駆除を実施しました。

 外来魚については、駆除捕獲関係者のご努力により爆発的増加が食い止められておりますが、魚食性鳥類では冬季のカワアイサ飛来に加え、カワウの周年定着化と新たな種類の飛来などによる被害が顕著です。刺網や電気ショッカー船を用いた外来魚の駆除重量はこれまでより若干増加した程度ですが、捕獲尾数は昨年の3倍に上りました。大量死後の生態系変化によって、魚類間の関係に加え、魚と鳥の関係にも変化が生じ、特定の年級群が偏って生き残ったと考えられ、毎年異なった状況に対応するためにも継続した駆除への取り組みが必要です。

 銃猟禁止の諏訪湖においては魚食性鳥類への対応策は限定され、被害の防止は年々困難を極めております。根本的には、魚介類が安心して生息できる場の回復・造成をはかることが肝要です。「魚のいない川には鳥も来ない」という状況を認識し、「魚もいる、鳥もいる状況を作り出す」ために、湖中環境の整備や害鳥の個体数調整を図るべきです。

 魚介類の回復には、湖内環境の改善が重要であるとの認識を改めて強く感じております。


【令和2年度事業計画

《基本方針》    

 諏訪湖の生態系は、平成28年の魚類大量死による影響から未だに抜け出せず、漁業の復活への道筋は見えておりません。諏訪湖を糧として生きてきた先人達の想いに心を馳せ、より一層の力を尽くしていきます。湖魚の復活を目指し、実効ある対策についての検討を進め、漁協独自の活動を推進し、漁協のみでは困難な対応策については関係機関への働きかけを継続します。

《具体的推進項目》      

(1)湖底の貧酸素水塊解消策の試行
 (2)
諏訪湖内に魚介類が生息できる環境の創出
 (3)
外来魚及び魚食性鳥類による食害防止対策の実施
 (4)ヒシ等水草の異常繁茂(防止)対策

 

役員が交代しました。任期 令和2年5月22日から3年間。(全員非常勤)

代表理事組合長  武居 薫(岡谷市)    代表監事 花岡義樹(岡谷市)

専務理事     笠原一俊(諏訪市)    監  事 有賀 章(諏訪市)

理事(漁場管理者) 原 三雄(岡谷市)    監  事 宮坂良一(下諏訪町)

理  事     小高義照(諏訪市)
    理  事     藤森一彦(諏訪市)
    理  事     北澤重秋(諏訪市)
    理  事      田中正男(下諏訪町)

 

住所

   諏訪湖漁業協同組合 (諏訪湖漁協漁業センター)
    〒392-0010 長野県諏訪市渋崎1792-374
    TEL 0266-52-4055  FAX 0266-53-7142

 

諏訪湖漁業協同組合

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TEL 0266-52-4055
営業時間:7:00-11:00
定休日:毎週 水曜・日曜